舞台 KAAT神奈川芸術劇場 「常陸坊海尊」=濱田元子
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戦後史にして同時に今日の劇 秋元松代戯曲に長塚圭史が挑む
池田勇人内閣が「所得倍増計画」を策定したのが1960年。日本は高度経済成長が始まり、64年にはアジア初の五輪が東京で開催され、戦災からの復興ぶりが世界にアピールされた。
そのめざましい経済発展の一方で、忘れられ、置き去りにされてきたものはないのか。
東北に残る、主君源義経を裏切って逃亡した常陸坊海尊(ひたちぼうかいそん)の伝承を踏まえて、秋元松代(1911〜2001年)が生や性、差別や格差について骨太の筆致で描いたのが、この戯曲だ。
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週刊エコノミスト
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