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映画 テルアビブ・オン・ファイア パレスチナ問題を笑い飛ばす図太くユーモアあふれる注目作=野島孝一

(c)Samsa Film - TS Productions - Lama Films - Films From There - Art e mis Productions C623
(c)Samsa Film - TS Productions - Lama Films - Films From There - Art e mis Productions C623

 パレスチナ出身、コロンビア大学で学んだサメフ・ゾアビ監督の作品。第75回ベネチア国際映画祭で作品賞を受賞した。通俗的なテレビドラマを介して、イスラエルとパレスチナの現状を皮肉ったオリジナリティーの高い映画だ。

 イスラエルのエルサレムに住むパレスチナ人のサラーム(カイス・ナシェフ)は叔父がプロデューサーを務めるパレスチナのテレビドラマ「テルアビブ・オン・ファイア」の現場で働いている。雑用係とヘブライ語の監修が仕事だ。「テルアビブ・オン・ファイア」は、1967年のテルアビブでパレスチナの女スパイが、イスラエル軍の機密を探るためにイスラエルの将校を誘惑するというサスペンス・メロドラマだ。

 ドラマでは女スパイ役はフランスの人気女優タラが演じている。タラ役はルブナ・アザバル。彼女はベルギーの女優で、「灼熱の魂」で好演した国際女優だ。

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