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週刊エコノミスト Online 書評

『中所得国の罠と中国・ASEAN』 評者・服部茂幸

著者 トラン・ヴァン・トウ(早稲田大学教授) 苅込俊二(帝京大学准教授) 勁草書房 3200円

中所得国を低位、高位に分類 成長を妨げる各種の罠を詳述

 2008年の世界金融危機後も、比較的高い成長率を続けている新興国は少なくない。しかし経済の停滞によって、先進国の仲間入りに失敗してきた中所得国が多いことも事実である。これを中所得国の罠(わな)と言う。

 本書によると、低位中所得国の罠は、生産要素市場(労働市場と資本市場)のゆがみを改善できないために、過剰労働力の活用ができなくなり生じる。他方、過剰労働力がなくなった高位中所得国は、成長のためには技術進歩が必要だが、それができないために高位中所得国の罠が生じる。こうした二つの中所得国の罠の原因と解決策を探るのが本書の課題である。

残り859文字(全文1199文字)

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