週刊エコノミスト Online書評

『中所得国の罠と中国・ASEAN』 評者・服部茂幸

    著者 トラン・ヴァン・トウ(早稲田大学教授) 苅込俊二(帝京大学准教授) 勁草書房 3200円

    中所得国を低位、高位に分類 成長を妨げる各種の罠を詳述

     2008年の世界金融危機後も、比較的高い成長率を続けている新興国は少なくない。しかし経済の停滞によって、先進国の仲間入りに失敗してきた中所得国が多いことも事実である。これを中所得国の罠(わな)と言う。

     本書によると、低位中所得国の罠は、生産要素市場(労働市場と資本市場)のゆがみを改善できないために、過剰労働力の活用ができなくなり生じる。他方、過剰労働力がなくなった高位中所得国は、成長のためには技術進歩が必要だが、それができないために高位中所得国の罠が生じる。こうした二つの中所得国の罠の原因と解決策を探るのが本書の課題である。

    残り859文字(全文1199文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    12月8日号

    もうかるEV(電気自動車)、電池、モーター14 「電動化」が業績・株価を左右 「次の勝者」探しも活発化 ■神崎 修一/桑子 かつ代/斎藤 信世16 巨人の焦り トヨタから「自動車」が消える日 ■井上 久男18 自動車部品 日本電産が台風の目に ■遠藤 功治20 図解 EV用電池「国盗り物語」 ■編集 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事