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週刊エコノミスト Online 学者が斬る・視点争点

「ROE重視」経営のリスク=塚崎公義

「会社は誰のものか」という議論が日本で盛んに行われたのは、小泉純一郎政権の前後であった。当時は「グローバル・スタンダード」という言葉が流行になり、それまでの「会社は従業員の共同体」という見方から、「会社は株主のもの」という米国流の見方が強まった。

 しかし、その後のリーマン・ショック(2008年)などの影響もあり、米国流が必ずしも理想とは言えなくなり、グローバル・スタンダードという言葉も廃れた。しかし、その考え方は日本に定着した。終身雇用制などは大きくは崩れていないものの、利益の配分については「もうかったら賃上げ」から「もうかったら配当」に大きく変化した。

 バブル崩壊後に株の持ち合いが減り、外国人株主の比重が上昇したことも大きく影響しているのであろう。彼らの中には「物言う株主」も少なくない。

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