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台湾 文化発信の書店1号店が閉店=田中淳

    優雅に書棚が並ぶ「誠品」の台中中友店(台中市)(筆者作成)
    優雅に書棚が並ぶ「誠品」の台中中友店(台中市)(筆者作成)

     台湾人の読書習慣や生活スタイルに多大な影響を与えた書店「誠品」の敦南店(台北市)が、来年5月で30年の歴史に幕を閉じる。誠品はカフェや劇場、ホテルなども展開する台湾のカルチャーブランドとなったが、敦南店はその1号店ともいうべき存在。敦南店の入居するビルの再開発に伴い閉店するが、惜別の念に駆られて店を訪れる市民が引きも切らない。

     敦南店は芸術性、専門性の高い書籍を多く取りそろえ、優れた意匠の文具や雑貨の発掘・販売にも注力。単行本と手摘みの茶葉、それに一点ものの革製品を同じ棚に並べて売るような独創性で、感度の高い市民をたちまちとりこに。1999年、アジアの書店では初めて24時間営業を開始し、“居場所”を求める若者たちのオアシスにもなった。

     台湾でも書籍の売上高が急減する中、書店にカフェや専門店街などを融合した多角経営で成長。香港・中国進出にも成功し、今年9月にはセレクトショップ「誠品生活」が東京・日本橋にオープンした。カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の「ツタヤブックストア」が2017年に台湾に進出した際、関係者が「蔦屋書店は誠品から強い影響を受けた」と話したように、多くの人々に影響を与え続けている。

    (田中淳・台湾在住編集者)

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