香港区議選、民主派が圧勝 「抗議は外国の陰謀ではない」=坂東賢治
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11月24日投開票の香港の区議会(地方議会)選挙で民主派が452議席の85%を獲得する地滑り的な勝利を収めた。「逃亡犯条例」改正案に端を発した抗議行動への市民の支持が明確に示された。
香港の英字紙『サウスチャイナ・モーニングポスト』は社説(11月26日)で投票総数が前回から倍増し、投票率も過去最高の71%に達したことを評価し、「香港市民は歴史を作った」と位置づけた。区議会は日常的な行政サービスや公共事業などについて香港政府に提言することが主な機能だが、議員は香港で最も民主的な「1人1票」の直接選挙で選ばれる。今回は住民投票的な意味を持った。
民主派は警察の暴力に対する独立調査委員会の設置、行政長官と立法会(議会)への普通選挙導入など「5大要求」の実現を掲げ、親中派を圧倒。得票率は民主派51%、親中派40%だが、小選挙区制のため議席差はそれ以上に広がった。それまで7割を占めていた親中派の議席は59に減り、惨敗した。警察に厳しい取り締まりを指示してきた林鄭月娥行政長官とその背後にいる中国に不信任が突きつけられたともいえる。
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週刊エコノミスト
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