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週刊エコノミスト Online 東奔政走

レガシーづくりを焦る首相 中曽根氏の背中は追えども遠く=平田崇浩

自民党総裁の就任が決まった時の中曽根康弘氏。「大宰相」のレガシーと安倍政権を比較すると・・・・・・(東京都千代田区で1982年11月24日)
自民党総裁の就任が決まった時の中曽根康弘氏。「大宰相」のレガシーと安倍政権を比較すると・・・・・・(東京都千代田区で1982年11月24日)

 中曽根康弘元首相が11月29日に死去した。安倍晋三首相がその背中を追ってきた大宰相の101歳での大往生である。

 安倍首相としては、憲政史上最長に達した在任期間では既に追い越した存在ではある。だが、中曽根氏が日本の政治史に残したレガシー(遺産)と比較できる長期政権の成果は何だろうか。

 中曽根氏の掲げた「戦後政治の総決算」は官主導の高度経済成長路線から、民間活力重視の行政改革路線へ、戦後日本のかじ取りを転換する試みだった。

 当時のレーガン米大統領やサッチャー英首相による市場経済重視の新自由主義路線に乗った側面もあった。1985年プラザ合意後の低金利政策が後のバブル景気とその崩壊を生む。とはいえ、国鉄など3公社の民営化を実現した中曽根行革の評価は高い。

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