米国の「法外な要求」に翻弄される日韓関係=伊藤智永
有料記事
韓国が11月22日、日本との「軍事情報包括保護協定」(GSOMIA(ジーソミア))を失効寸前で継続し、世界貿易機関(WTO)に日本を提訴する手続きも停止すると表明した際、首相官邸や外務省、経済産業省の高官らは「日本は何も譲歩していない。韓国側のベタ折れだ」と口々にコメントし、「日本の勝利」を印象づけようとした。
正確には、韓国は「破棄通知の効力を停止」しただけで、いつでも「停止解除」できるモラトリアム状態にある。一方、「停止」ではなく完全に「中止」する条件として韓国が撤回を要求していた「ホワイト国外し」について、日本は韓国との政策対話に応じ、半導体製造関連3品目の輸出管理は「韓国側の適切な運用により見直しの検討が可能になる」と表明した。実質的に妥協している。
残り1780文字(全文2114文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める