トランプ氏の弾劾 民主党候補選びにも影響=古本陽荘
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トランプ米大統領がウクライナに対して、政敵のバイデン前副大統領の捜査を要求した疑惑に関し、連邦議会下院は「大統領権限の乱用」などとしてトランプ氏をクリスマス前に弾劾訴追する方向だ。年明けからは上院での弾劾裁判が始まる。弾劾裁判は来年11月の大統領選にどう影響するだろうか。
米議会では、下院は野党・民主党が多数議席を有し、上院は与党・共和党が多数派だ。弾劾訴追の権限を持つ下院では、出席議員の過半数の賛成でトランプ氏は訴追される。一方、上院での弾劾裁判は、陪審員となる上院議員(定数100)の3分の2が賛成すれば有罪となり、トランプ氏は解職される。上院の共和党議員は53人で、計算上は共和党から20人が造反すれば有罪になる。
弾劾裁判の影響が最初に及ぶのは、民主党の候補者指名争いだ。州単位で実施される予備選・党員集会は来年2月3日のアイオワ州党員集会から始まり、同月11日のニューハンプシャー州予備選に続く。両州とも小さな州で、レストランなどでの小規模集会を数多く開き、有権者と直接触れ合うことが重要になる。
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