3人目の大統領訴追へ 民主、トランプ弾劾で賭け=高井裕之
当地ワシントンDCでは、ウクライナ疑惑を巡るトランプ大統領の弾劾調査報道が連日メディアをにぎわす。政治ネタには慣れっこのワシントニアンでさえ、大統領が弾劾訴追されるか否か、という場面を間近で見る機会はめったにない。243年の米国史上で、このような大統領の「弾劾劇」は3回しかない。最初が151年前のA・ジョンソン、次が45年前のニクソン、3回目が21年前のクリントンの各大統領である。ただし、ニクソン氏は弾劾訴追される前に辞任した。
米国憲法は第1章で「議会下院のみが弾劾権を有する」とし「議会上院のみが弾劾裁判を開く権利を有する」と規定する。下院は調査の上で弾劾訴追し、上院で裁判にかける仕組みだ。たとえ被告が有罪となっても罷免以上の罪には問わないとする。弾劾の目的は、公職に不適格な公務員を辞めさせることであり、法の裁きを受けさせることではないという趣旨だ。
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週刊エコノミスト
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