応益原則逸脱のふるさと納税=島村玲雄
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税収減穴埋め原資には国税も
ふるさと納税による寄付総額は増加の一途をたどるが、ゆがんだ政策となってはいないだろうか。総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果」 によれば、2018年度のふるさと納税額は3481億円に上り、ふるさと納税の利用者は約300万人まで増加している。寄付金受け入れ額最多は18年度497億円の大阪府泉佐野市であったが、19年6月より対象外とされ、国を相手取って提訴する事態となっている。
ふるさと納税は「税」と銘打ってはいるが、基本的には、従来から認められている、公益法人や非営利法人などへの個人の寄付金を所得税から控除する寄付金税制の範囲を、自治体まで拡大し住民税からも控除するものだ。その意味では、非営利法人に対する寄付に寄付控除が適用される一方で、自然災害に見舞われた自治体に対する寄付金に寄付控除が適用されないことに対しては一定の整合性が求められるだろう。
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週刊エコノミスト
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