資源・エネルギーエコノミストリポート

市況 原油価格 米シェール頭打ち、中東リスク意識=藤和彦

    米シェールオイルの最大鉱区パーミアン盆地にある原油貯蔵タンク。米テキサス州(Bloomberg)
    米シェールオイルの最大鉱区パーミアン盆地にある原油貯蔵タンク。米テキサス州(Bloomberg)

     原油相場は、米中貿易摩擦による原油需要の先行き不安から、米WTI原油先物で1バレル=50ドル台前半から後半のレンジ圏内で軟調に推移している。だが、需要・供給の両面で、レンジ相場から上振れる要因が表れ始めた。

     まず供給サイドから見てみたい。

     世界の原油供給の鍵を握っているのは、2018年において45年ぶりに世界首位の原油生産国に返り咲いた米国である。米国の足元の原油生産量は日量1290万バレルと過去最高水準となっている。だが、このような状態は長く続かないだろう。

     シェール業界が現在直面しているのは構造的な問題である。シェールオイルは過去3年間、毎年日量100万バレルを超える勢いで増産が続いたが、増産を焦るあまりシェール層に到達する井戸を密集して掘削する乱掘に走ったため、各井戸からの生産量が想定よりも早く減少するケースが相次いでいる。「シェールオイル生産の最適鉱区(スイートスポット)はほとんどすべて掘削されてしまった」(業界関係者)との観測もある。

     このため原油価格が1バレル=60ドルを超えたとしても、シェール企業の探鉱活動が活発にならない可能性があり、「20年の米国の原油生産量は日量35万バレル増加するが、21年に生産量は横ばいになる」という米エネルギー調査会社の悲観的な予測が出ている。今年11月、米エネルギー省は「19年の平均原油生産量は前年比130万バレル増の1230万バレルとなり、20年は前年比100万バレル増の1330万バレルとな…

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