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債務残高に連動する原油価格=市岡繁男

「石油関連業界の資産規模は22兆ドル(約2400兆円)。これは巨大なサブプライムローン(信用力の低い個人向けの住宅融資)のようなもので、バブル崩壊の危機に直面している」。アル・ゴア元米副大統領が英『フィナンシャル・タイムズ』紙に語ったこの言葉は重い。

 株価が高騰する米国だが、石油株だけは年初来でマイナスだ。石油業界は価格の低迷で資金回収の見込みが乏しいのだとしたら、世界は恐慌の瀬戸際にあるのかもしれない。

 では、なぜ石油の価格は上昇しないのか。省エネ技術の発展もさることながら、債務の拡大が限界に達しているのだと筆者は見る。政府や企業、家計は借金をテコに投資や消費を行ってきた。いわば借金が経済発展の原動力となってきたわけで、結果的に石油の需要も増加する。主要20カ国(G20)の債務残高と原油価格(ともに前年同月比)が連動していることはその証左だ(図1)。

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