週刊エコノミスト Onlineチャイナウオッチ 中国視窓

“公約”の成長目標に黄信号 安定重視で米中「第1段階」合意=金子秀敏

 米中貿易摩擦は制裁関税と報復関税の応酬を約1年半続けた後、2019年12月中旬の「第1段階の合意」で一時的に収束した。

 米国は、発動予定の第4弾の一部を見送り、一部を税率軽減した見返りに中国に米国産農産物の大量買い付けを約束させた。露骨な大統領選対策だ。

 だが、中国に進出した米国企業の米国回帰を促す目的で発動した第1~3弾の制裁関税(税率25%)は維持したまま、交渉を先送りした。一方、中国は農産物買い付けの時期や数量を発表していない。「空箱のクリスマス・プレゼント交換」とも評された。

 選挙対策に追われるトランプ大統領と同様、中国の習近平国家主席にも米中貿易協議を年内休戦に持ち込みたい政治的理由があった。20年は第13次5カ年計画の最終年に当たり、国内総生産(GDP)を10年比で2倍にする「小康社会(ややゆとりのある社会)の全面完成」の年だ。

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