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教養・歴史 書評

『評伝 西山弥太郎 天皇とよばれた男』 評者・黒木亮

著者 濱田信夫(九州ルーテル学院大学名誉教授) 文眞堂 2500円

高度経済成長をけん引した屈指の経営者の本格評伝

 日本がまだ敗戦の影を引きずっていた1953(昭和28)年、一介の平炉メーカーだった川崎製鉄(現JFEスチール)は約273億円を投じて千葉市に戦後初の臨海製鉄所を建設した。資本金の実に14倍近い巨額投資で、これにより日本の高度経済成長時代が幕を開けたと言われる。

 本書は川崎製鉄の初代社長として、同社を日本屈指の鉄鋼メーカーに育て上げた西山弥太郎の生涯を詳細に追った学術書だ。

残り931文字(全文1175文字)

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