教養・歴史書評

二十二社選定の基準は? 詳細な第一級神社ガイド=今谷明

     二十二社とは、平安時代に国家が定めた一種の社格で、以降変更されることなく幕末維新に至った。したがって日本を代表する神社群ということになるが、出雲大社や宇佐八幡など地方を代表する名社が抜けていることもあり、疑問なしとしない。

     出雲大社は社殿が巨大な高楼建築であったため、平安期に幾度も倒壊したこと、宇佐は京都の男山に石清水(いわしみず)八幡宮として勧請(かんじょう=分霊を他の神社に移す)されたことで、そちらが代表となってしまった等の事情があると思われる。それでも出雲は縁結びの神として、また10月に全国の神々が集合する(神在月=かみありづき)場所としてパワースポットの人気を誇っている。

     島田裕巳著『二十二社 朝廷が定めた格式ある神社22』(幻冬舎新書、880円)は、神話上の神々が神格を獲得して祀(まつ)られていく事情とその過程を、諸文献を駆使して展開、詳述した興味深い新書である。本書によれば二十二社が固定したのは11世紀(1039年または1081年)のことで、摂関時代後期から院政期にかけてで、古代から中世への転換期にあたっているという事実も興味深い。

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