週刊エコノミスト Online学者が斬る・視点争点

財政再建は相続税の大増税で=塚崎公義

    消費増税よりも痛税感は小さくてすむ
    消費増税よりも痛税感は小さくてすむ

     日本の財政赤字は、対国内総生産(GDP)比で237%。これは、財政破綻が懸念されているギリシャ(184%)やイタリア(132%)を上回る(2018年末時点)。

     対GDP比の赤字は、税収で借金を返すのがどれくらい難しいかを測る目安になる。日本は財政再建が必要ということに異議を唱える人は少ないだろう。

     問題はそのタイミングと方法だ。税収という「金の卵」を産む鶏に当たるのが景気である。財政再建は景気を殺さないように慎重に事を進めるのは当然で、増税する場合も景気への影響は十分に考慮すべきである。

     19年10月に消費税が増税されたが、消費税は消費するたびに税を意識させられるので痛税感が大きく、あまり税率を高くすると消費意欲を減退させかねない。また、20年からは「基礎控除」と「給与所得控除」の制度が改正され、年収850万円以上の人は所得税が実質増税される。しかし、所得税もあまり税率を高くすると勤労意欲をそぐことになるだろう。

     一方、法人税は、消費税と比べると景気に対する影響も限定的で、痛税感も小さいのだが、税率を高くすると企業が海外に拠点を移してしまうといった懸念もあり、増税を支持する人は多くないようだ。

    残り1738文字(全文2243文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    3月3日号

    4月施行 働き方改革法 労基署はここを見る20 企業の成長を促す法改正 会社を作り直す覚悟を ■村田 晋一郎/吉脇 丈志23 働きやすい職場を作るビジョンを示せ ■安中 繁24 同一労働 同一賃金 待遇差に合理的な説明が可能か ■河野 順一27 役割・待遇の明確化 会社の創造的破壊を ■向井 蘭30 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ PR

    最新の注目記事

    ザ・マーケット