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光給電で真の無線化社会実現 大容量の蓄電池はいらない=松永新吾/38

(出所)東京工業大学の資料を基に筆者作成
(出所)東京工業大学の資料を基に筆者作成

 我々が使用する電力は、発電所から送電線を経由して家庭や事業所に供給されている。言うまでもなく、家電製品などを使用する際にはコンセントにプラグを差し込む必要がある。電力の供給は昔も今も有線で行われている。

 ところが、近年、電力の供給を無線で行うという提案が増えている。では、電力を無線で供給する利点は何か。ひとつには、充電の手間がないことだ。従来の有線による充電では、常に充電ポイント(コンセント)の場所を確認し、そこまで移動する必要がある。電源と機器をつなぐ長い充電ケーブルも必要だ。ところが、電力を無線で供給できれば、コンセントも充電ケーブルも不要になる。いつでもどこでも、好きな時に充電できるようになる。

 もうひとつの利点は大容量の蓄電池が不要になることだ。スマートフォンやノートPC、さらには電気自動車のような“移動する”ものは、1回の充電で長く使用するためには大容量の蓄電池が不可欠である。近年、リチウムイオン電池に代表される蓄電池の性能は劇的に向上しているが、どれだけ蓄電池の性能が向上しても、やはり、充電時間、充電電力量、さらには重量やコストの問題は残る。

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