週刊エコノミスト Online学者が斬る・視点争点

格差是正に給付付き税額控除=島村玲雄

    シングルマザー家庭の貧困対策にもなりうる
    シングルマザー家庭の貧困対策にもなりうる

     今日の経済構造では所得階層が二極化し、非正規労働やシングルマザー、若年層の貧困が社会問題化する一方、一部の富裕層は海外の節税地「タックスヘイブン」へ金融資産を移転し、経済力に応じて本来課されるべき租税を負担していない。米国の財政学者マスグレイブは政府の役割を、経済安定化、資源最適配分、そして所得再分配と定義しているが、今日の二極化する所得格差に対し所得再分配のあり方をアップデートする必要があるのではないか。

     日本では現在、所得や家族の形態などの個人的事情の配慮などから、基礎控除や医療費控除、配偶者控除などで、所得のうち一定額を非課税所得として差し引く「所得控除制度」を採用している。これに対して、「給付付き税額控除制度」は、所得に対していったん課税したうえで、課税後の税額から所得など一定条件に応じて控除する。課税最低限以下の低所得者に対しては給付金を支給する仕組みだ。

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