教養・歴史書評

『2049年「お金」消滅 貨幣なき世界の歩き方』 評者・後藤康雄

     今から約30年後の2049年。その頃にはなんとお金(マネー)という存在が消滅する可能性がある、と筆者は主張する。マネーの消滅自体、ショッキングだが、それは壮大なストーリーの一面に過ぎない。マネー消滅と裏表の関係で、モノや労働など実物(リアル)の世界もまったく異なる仕組みに変わっていく、と本書は展望する。

     その変化は働き方、価値観、国家のあり方などあらゆる領域に及ぶ。筆者は、工学、経済学、メディア論など、学問領域の壁を軽やかに越え、未来予想図をビビッドに描き出す。さながらしっかりした科学考証に基づくSF小説のようである。

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