教養・歴史書評

『2049年「お金」消滅 貨幣なき世界の歩き方』 評者・後藤康雄

著者 斉藤賢爾(早稲田大学大学院教授) 中公新書ラクレ 820円

働き方、国家すらも一変するSF小説さながらの未来図

 今から約30年後の2049年。その頃にはなんとお金(マネー)という存在が消滅する可能性がある、と筆者は主張する。マネーの消滅自体、ショッキングだが、それは壮大なストーリーの一面に過ぎない。マネー消滅と裏表の関係で、モノや労働など実物(リアル)の世界もまったく異なる仕組みに変わっていく、と本書は展望する。

 その変化は働き方、価値観、国家のあり方などあらゆる領域に及ぶ。筆者は、工学、経済学、メディア論など、学問領域の壁を軽やかに越え、未来予想図をビビッドに描き出す。さながらしっかりした科学考証に基づくSF小説のようである。

残り845文字(全文1165文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

8月23日号(8月16日発売)

電力危機に勝つ企業12 原発、自由化、再エネの死角 オイルショックを思い出せ ■荒木 涼子/和田 肇15 電力逼迫を乗り越える 脱炭素化が促す経済成長 ■編集部16 風力 陸上は建て替え増える 洋上は落札基準を修正 ■土守 豪18 太陽光 注目のPPAモデル 再エネは新ビジネス時代へ ■本橋 恵一2 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事