映画 1917 命をかけた伝令 映像以外のメタ情報一切なく 切れ目なき視界に観客を投入=勝田友巳
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第一次世界大戦中の伝令兵が過ごした決死の一昼夜を、始めから終わりまで、同じカメラで途切れず撮り続けた(ように見える)“全編ワンカット”映画。と言われて何がすごいのかピンとこなくてもまずはご覧あれ。ただならぬ迫力に圧倒されるに違いない。
1917年、北フランスの戦場にいた英国軍上等兵スコフィールドとブレイクは、東部に展開中の友軍に、翌朝の攻撃を中止する命令を伝えるよう命じられた。ドイツ軍は撤退したと見せかけて、英国軍を待ち伏せしていたのだ。攻撃に参加する1600人の兵士の中には、ブレイクの兄も含まれていた。
早朝、林で上官に起こされるところから、カメラはブレイクに張り付いている。司令部で状況を知らされ命令を受けると、緊迫の度合いが跳ね上がる。限られた時間、敵地の危険、肉親への情愛。観客は2人とともに、戦場のただ中に飛び込むのである。
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週刊エコノミスト
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