映画 スキャンダル 勧善懲悪では終わらない難問 権力濫用の先にはなにが潜む?=芝山幹郎
有料記事
アメリカでは派手に報道された話だから、記憶している方が多いかもしれない。
FOXニュース社のCEOロジャー・エイルズが度重なるセクシャル・ハラスメントで告訴され、辞任に追い込まれたのは大きなニュースだった。
エイルズが辞任したのは2016年7月のことだ。共和党支持を露骨に打ち出し、高い視聴率を叩き出してきたFOXニュース社の内部で、いったいなにが起こっていたのか。映画は、3人の女性キャスターを通してその内幕を描き出す。
3人のうちふたりは、実在のエース・キャスターだ。ひとりは元弁護士のメーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)。もうひとりは元ミス・アメリカのグレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)。ふたりとも40代で、共通するのは、氷の微笑と鋼の野心だ。そして3人目は架空の人物ケイラ・ポスピシル(マーゴット・ロビー)。こちらも野心は強いが、キャリアが浅く、どこか危なっかしい。
残り764文字(全文1161文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める