マーケット・金融東奔政走

検察トップ人事への政治介入か 「パイプ役」に“異例”の定年延長=伊藤智永

    黒川弘務東京高検検事長の定年延長の閣議決定は、衆院予算委員会でも焦点の一つに(国会内で2月3日)
    黒川弘務東京高検検事長の定年延長の閣議決定は、衆院予算委員会でも焦点の一つに(国会内で2月3日)

     安倍官邸は検察のトップ人事に政治介入したのか──。検事総長に次ぐ検察ナンバー2の黒川弘務東京高検検事長が1月31日、定年退職(2月7日)の約1週間前、定年延長の閣議決定という異例の措置で8月7日まで半年間続投することになった。官邸の覚えめでたい黒川氏を、トップに昇格させるための強引な布石ではないのかと、国会でも野党が追及する騒ぎになった。

     国外逃亡されたとはいえ、カルロス・ゴーン日産自動車前会長の特別背任事件摘発は、検察の権力を見せつけた。他にも近年、安藤ハザマ除染費用詐取事件、スーパーコンピューター助成金詐取事件、リニア中央新幹線談合事件、文部科学省汚職事件などの経済事件が記憶に新しい。そして現在、安倍政権は、検察の捜査が進むIR(カジノを含む統合型リゾート)汚職事件と河井克行前法相・河井案里参院議員の公職選挙法違反疑惑に悩まされている。

     政府から独立した準司法機関としての中立性を守るため、検察トップの総長人事は検察組織の自律性を尊重し、政権は口出ししないのが、戦後長く不文律の慣行だった。だが関係者の証言を総合すると、黒川氏の定年延長は、政権が稲田伸夫検事総長に昨年末から暗に早期辞任を迫ったが、稲田氏が抵抗し続けたため、業を煮やした官邸側が前代未聞の非常手段に打って出たというから穏やかでない。

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