舞台 こまつ座「きらめく星座」 忍び寄る戦争と庶民生活 言葉の力、輝く長台詞に注目=濱田元子
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時代と人間を深く見つめ、機知とユーモアあふれる言葉でやさしく包み込んだ劇作家・井上ひさしが亡くなって、この4月で10年となる。節目にあたり、こまつ座が「きらめく星座」を上演する。井上の70に及ぶ戯曲の中でも人気の高い音楽劇だ。栗山民也が演出する。
舞台は昭和15(1940)年秋から16年の冬のはじめにかけての東京・浅草の小さなレコード店「オデオン堂」だ。ジャズや歌謡曲が好きな店主の信吉(久保酎吉)と妻ふじ(松岡依都美)らの小笠原家に、広告文案家の竹田慶介(大鷹明良)らが居候している。
ある日、陸軍に入隊していた長男正一(高橋光臣)が脱走し、憲兵伍長(ごちょう)権藤(木村靖司)が監視として住み込む。また、長女みさを(瀬戸さおり)が堅物の傷痍(しょうい)軍人、源次郎(粟野史浩)と結婚。一家は騒動にのみ込まれていく。
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週刊エコノミスト
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