美術 生誕120年・没後100年 関根正二展=石川健次
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20歳と2カ月で夭折した画家 あふれる鮮烈な色彩と幻想性
絵を見て妄想に耽(ふけ)るのが好きだ。気色悪いと自分でも思う。でも、そうなのだから仕方がないと開き直ってもいる。20歳と2カ月で夭折(ようせつ)した画家、関根正二(1899〜1919)の《信仰の悲しみ》は、際限のない妄想に私を駆り立てる、大好きな一点。図版の作品だ。
約5年という短い創作活動のなかで関根が遺(のこ)した作品は油彩画が数十点、素描や挿絵、さらに未発表のものを加えても200点ほどという。新発見の作品や交流のあった画家の作品を含め、「近代日本の短い青春時代とされる大正期を象徴する画家」(本展図録から)と謳(うた)われる関根の画業と生涯に本展は迫る。
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