教養・歴史アートな時間

美術 生誕120年・没後100年 関根正二展=石川健次

《信仰の悲しみ》1918年 油彩、カンヴァス 大原美術館蔵 重要文化財
《信仰の悲しみ》1918年 油彩、カンヴァス 大原美術館蔵 重要文化財

20歳と2カ月で夭折した画家 あふれる鮮烈な色彩と幻想性

 絵を見て妄想に耽(ふけ)るのが好きだ。気色悪いと自分でも思う。でも、そうなのだから仕方がないと開き直ってもいる。20歳と2カ月で夭折(ようせつ)した画家、関根正二(1899〜1919)の《信仰の悲しみ》は、際限のない妄想に私を駆り立てる、大好きな一点。図版の作品だ。

 約5年という短い創作活動のなかで関根が遺(のこ)した作品は油彩画が数十点、素描や挿絵、さらに未発表のものを加えても200点ほどという。新発見の作品や交流のあった画家の作品を含め、「近代日本の短い青春時代とされる大正期を象徴する画家」(本展図録から)と謳(うた)われる関根の画業と生涯に本展は迫る。

残り936文字(全文1247文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事