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教養・歴史 よみがえる宇沢弘文

教え子が語る 雨宮正佳(日銀副総裁) 「経済や経済理論に対する姿勢は宇沢ゼミで訓練された」

雨宮正佳(日銀副総裁)
雨宮正佳(日銀副総裁)

 日銀の雨宮正佳副総裁に恩師を振り返ってもらった。

(聞き手=佐々木実・ジャーナリスト/浜條元保・編集部)

── なぜ、宇沢ゼミを選んだのか。

■私が大学に入学した1975年は高度経済成長の負の部分、つまり環境問題が深刻化し、社会問題となっていた。また、第1次石油ショック(73年)後の狂乱インフレの影響が残る時代でもあった。海外では、ドルと金の交換を停止するニクソン・ショック(71年)により、ブレトンウッズ体制が崩壊。環境問題、資源制約、国際通貨体制の変貌と、内外ともに戦後経済の枠組みが問われていた時期だ。経済学でも既存の経済学を再検討しようという機運が盛り上がっていた。その旗手だった先生に学んでみたいと、宇沢ゼミに入った。

残り2567文字(全文2880文字)

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