教養・歴史アートな時間

映画 子どもたちをよろしく 傷つけ合う子どもたちを通して大人社会の「ゆがみ」問う=勝田友巳

    (c)子供たちをよろしく製作運動体
    (c)子供たちをよろしく製作運動体

     いじめは、今のように大きな社会問題になる前から、映画のかっこうの題材だった。主人公が弱い立場に置かれていることの象徴だったり、複雑な人間関係の道具立てになったり、あるいはいじめそのものが主題ともなった。苦難と成長、友情や復讐(ふくしゅう)といったドラマの契機としてうってつけなのだろう。しかし意外と、いじめの背景にまで踏み込んだ作品にはお目にかからない。「子どもたちをよろしく」はいじめばかりではなく、子どもたちを取り巻く厳しい環境を観客に示し、大人社会のゆがみを問いかけている。

     同級生にいじめられる洋一(椿三期)と、いじめっ子の一団にいる稔(杉田雷麟)が、物語の中心だ。洋一は、父親・貞夫(川瀬陽太)と2人暮らし。貞夫は無店舗型風俗店(デリバリーヘルス=デリヘル)の運転手でギャンブル中毒、金を入れず家は荒れ放題。一方の稔は、両親とも連れ子の再婚家庭。実父・辰郎(村上淳)は酒乱で家族に暴力を振るい、義母・妙子(有森也実)は辰郎の顔色をうかがうばかり。妙子の娘で稔の義姉・優樹…

    残り703文字(全文1144文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    12月8日号

    もうかるEV(電気自動車)、電池、モーター14 「電動化」が業績・株価を左右 「次の勝者」探しも活発化 ■神崎 修一/桑子 かつ代/斎藤 信世16 巨人の焦り トヨタから「自動車」が消える日 ■井上 久男18 自動車部品 日本電産が台風の目に ■遠藤 功治20 図解 EV用電池「国盗り物語」 ■編集 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事