繊維生産が新型肺炎で停滞 生地不足でさまよう企業も=岩下祐一
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新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が、中国の繊維品生産に深刻な影響を与えつつある。糸や生地、縫製工場の一部は約10日遅れで生産を再開したが、稼働率はまちまちで、正常化にはほど遠い。稼働できないところもまだある。こうした「川下」の生産停滞で「川上」の化繊の原料工場では在庫が膨らんでいる。
新型肺炎を受け、中国政府は1月30日までだった春節(旧正月)休暇を2月2日まで延長。その後、多くの地方政府が企業の操業再開を2月10日以降とし、繊維工場の一部は10日から再稼働した。
日本や欧米のブランドを受託生産(OEM)する江蘇省の大手企業は2月10日、地元出身の工員だけで生産を再開。初日の稼働率は55%だった。一方、欧米スポーツ向けの合繊織物を手掛ける台湾の福懋興業(フォルモサ・タフタ)の上海工場は、2月10日の週の稼働率が約3割にとどまった。
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週刊エコノミスト
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