新型肺炎で続く外出控え 景気減速も“在宅経済”は伸長=岸田英明
2019年12月8日に湖北省武漢市で新型コロナウイルス肺炎の初症例が確認されてから2カ月余り。感染者と死者の数は02~03年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)を大きく上回るほか、六つの“無感染省”があったSARSと異なり、全省で症例が出た。死者の9割超は湖北省に集中するが、強力な防疫対策が全国で行われ、国民生活や企業活動に大きな影響を及ぼしている。
流行終息の時期は楽観論でも「3~4月」、悲観論では「秋口まで」との見方がある。中国経済への影響について現時点で確実に言えるのは、1~3月期の景気の大減速が不可避なことだ。SARSの景気下押し圧力が最大化した03年4~6月の成長率は前年同期比9・1%で、1~3月の11・1%から約2割減速した。これを単純に今回に当てはめれば、19年10~12月の6・0%から20年1~3月は4・9%へ減速することにな…
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週刊エコノミスト
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