内陸や高台を襲う都市型洪水/36
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筆者のさくら事務所は「渋谷区桜丘町」にあり、国土地理院の地形分類では「山地」「台地・段丘」に該当する。標高も高く、浸水や液状化の可能性も低い。しかし、すぐそばの渋谷駅周辺の地形分類は、起伏が小さく低くて平坦な土地を示す「氾濫平野」となる。洪水で運ばれた砂や泥などが河川周辺に堆積(たいせき)したり、過去の海底が干上がってできた土地で、液状化のリスクがある。
同様に周辺の「代官山町」「南平台町」「鉢山町」といった標高が30メートルほどある高台の高級住宅地であっても、「凹地・浅い谷」が存在し、大雨で雨水が集まりやすく、浸水のおそれがあり、地盤は軟弱な場合がある。地盤の強弱や水害の可能性は、地名である程度は分かる、と言われても千差万別であり、「丘」「山」「台」といった地名が付いていてもハザードマップで浸水可能性が指摘される地区と重なる場合がある。
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週刊エコノミスト
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