週刊エコノミスト Online学者が斬る・視点争点

新型肺炎と「中央集権のジレンマ」=渡辺真理子

    中央集権下で情報統制をしく中国 Bloomberg
    中央集権下で情報統制をしく中国 Bloomberg

     中国疾病予防管理センター(CCDC)のデータによれば、新型肺炎の感染症例が最初に確認されたのは2019年12月8日だった。12月下旬には毎日10人以上が発症していた(図)。

     この頃、発生地・武漢市の病院に勤める眼科医の李文亮氏は、中国最大の通信アプリ「微信(ウィーチャット)」のグループチャットで医療関係者に「SARS(重症急性呼吸器症候群)のような症状の患者が増えている。気をつけよう」という趣旨の投稿をした。

     このウィーチャットのやりとりは、運営会社のテンセントが政府の代理として検閲しており、李医師のこの投稿は社会秩序を乱すとして地元の警察から訓告を受けた。このとき、合わせて8人の医師が同様の処罰を受けている。その後、政府の専門家チームが19年末に武漢の調査を行い、今年1月1日に感染源と疑われる海鮮市場を閉鎖。1月5日に上海疾病予防管理センターの研究者らはウイルスのDNAを識別し、SARSに近い新型の…

    残り2026文字(全文2433文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    6月16日号

    コロナデフレの恐怖14 サービス業に「デフレの波」 失業増で負のスパイラルも ■桑子 かつ代/市川 明代17 市場に問われる開示姿勢 ■井出 真吾18 図解デフレ大国ニッポン ■編集部19 デフレ圧力は過去にない水準に ■永浜 利広20 コロナで「上がった下がった」ランキング ■編集部21 インタビ [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事

    ザ・マーケット