週刊エコノミスト Online学者が斬る・視点争点

仕事への熱意が低い日本=石山恒貴

社員の自己決定権限の拡大を

 仕事への熱意を表す「エンゲージメント」という考え方が注目されている。ただし、エンゲージメントという概念には曖昧なところもある。この概念について理解を深めた上で、日本企業のマネジメントをどう変革していけばよいのかを、考えてみたい。

 2017年5月26日付の日本経済新聞朝刊で、米調査会社ギャラップのエンゲージメント調査の国際比較が紹介された。エンゲージメント得点の日本の順位は、139カ国中132位。「熱意あふれる社員」は米国が32%だが、日本はわずか6%であった。さらに、日本には、「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」が24%、「やる気のない社員」が70%存在していた。

 この結果は衝撃的である。だが、そもそも、ここで計測しているエンゲージメントとは何であるか。ギャラップ社が調査したのは「従業員エンゲージメント」とも呼ばれる概念だが、類似の考え方として、「ワーク・エンゲージメント」という概念もある。

残り2052文字(全文2471文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月4日号

徹底攻略 新NISA22 使わないともったいない 口座開設から運用まで解説 ■加藤 結花/白鳥 達哉/深野 康彦28 プロのNISA 指南1 シニア層なら「家計の一助」に 生活用品優待銘柄を狙え  ■大山 弘子30 プロのNISA 指南2 インデックス投信でコツコツ取り崩さず積み立て ■篠田 尚子3 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事