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教養・歴史 書評

ポピュリズム蔓延の現代 人権抑圧に向け警世の書=孫崎享

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 日本の憲法学者では樋口陽一、長谷部恭男、小林節、愛敬(あいきょう)浩二、青井未帆氏らは頂点にいる人々である。この方々が2014年「国民安保法制懇」を立ち上げられ、私も加わらせてもらっている。時たま会合がある。

 各人が発言していても、樋口氏が話されると皆は傾聴する。彼はまた、エレガントでおしゃれな方でもある。たぶん、今日「日本の知性5人」を選ぶとなると、必ずその中に入るのではないか。

 その樋口氏が『リベラル・デモクラシーの現在 「ネオリベラル」と「イリベラル」のはざまで』(岩波新書、840円)を出された。岩波新書では1979年の『比較のなかの日本国憲法』、89年の『自由と国家』、99年の『憲法と国家』に次いで4冊目である。今日の時世が4冊目の本を書かせたのであろう。

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