中東 包囲されるイラン 危機あおる米主導の「黒い同盟」=宮田律
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1月3日、イラン革命防衛隊で、対外的活動を担ってきた「コッズ部隊」のソレイマニ司令官と、イラクの準国軍ともいえる民兵組織・人民動員隊(PMF)のムハンディス副司令官がイラク・バグダッド国際空港を出たところで米軍のドローンによる攻撃で殺害されたことによって、米国とイランの緊張が一気に高まった。イランは、イラクの二つの米軍基地に弾道ミサイルで報復攻撃を行ったが、米トランプ大統領はイランへの反撃を控えたので、事態は一旦、沈静化したものの、2017年の米トランプ政権の発足以降、対立は激化している。
トランプ政権の対イラン政策は、米国内の親イスラエル勢力、イスラエルの利益を守ることがキリストの復活を早めると考える米国内のキリスト教福音派、イラン・イスラム共和国体制を軍事的に打倒し、親米的な民主主義国家を樹立したいと考えるネオコン勢力、戦争で利益を上げようとする軍需産業──などの意向を反映したものだ。
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週刊エコノミスト
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