結婚式禁止、マンションで検温… 北京・東京で違うコロナ対応=岸田英明
中国で新型コロナウイルスの流行拡大がピークを迎えていた2月15日、筆者は駐在先の北京から東京に一時的に戻った。中国全土で日々、数千人の新規感染が確認され、“ゴーストタウン”化した当時の北京と比べると、今の東京はずっと活気がある。
当時の北京の地下鉄やバスは空気を運んでいるような状態だった。市民の外出控えに加え、春節休暇を過ごした故郷から移動制限で戻ってこられない住民も多かった。飲食店は春節休業を延長するか、営業してもテークアウトや限定メニューのみの店が多く、当局の指示に従って客を2~3人ずつ分散させて座らせる店もあった。結婚式などの大規模な会食は禁止され、映画館やジムなど人が密集する施設も閉鎖されていた。このほか、マンションの入り口で検温が実施されたり、北京市民が国民IDとひも付いた健康状態管理アプリの使用を義務付けられたりと、東京では見られない厳格な対応が取られていた。
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週刊エコノミスト
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