開発進む次世代蓄電池 材料や構造を大きく変更=中村剛/41
有料記事
詳しくはこちら
スマートフォン(スマホ)をはじめとする電子機器において、今やなくてはならない存在となったリチウムイオン電池。電気自動車(EV)の普及など今後のさらなる充電デバイス需要の拡大を背景に、「ポストリチウムイオン電池」とも言うべき次世代蓄電池の研究開発が活発化している。その代表格とも言える全固体電池は、大手電池メーカーだけでなく自動車メーカー、電子部品メーカーらが参入し、一部で製品化がスタートした。さらに海外企業が取り組んでいるナトリウムイオン電池やリチウム硫黄電池、三洋化成工業が工場設立をアナウンスした全樹脂電池などさまざまなタイプが登場し、まさに多士済々といった状況となっている。
リチウムイオン電池は正極と負極の間でリチウムイオンを移動させることで充放電を行う仕組みを持つ充電池だが、1990年代初頭に実用化されて以来、正極と負極、イオンが移動する電解質の材料を工夫することで性能向上が図られてきた。ただ、近年では材料組成の見直しによる性能向上に限界が見えてきていることに加え、電解質に可燃性の有機溶媒を使うことによる発火リスクが存在し、電気自動車など高性能かつ安全性が求められ…
残り2948文字(全文3447文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める