財政ファイナンスの効果と副作用=渡辺浩志
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本年初に始まった世界景気の回復は、新型コロナウイルスの感染拡大により腰折れした。感染抑止の隔離政策は経済活動を強制停止させるものであり、世界的な景気後退は不可避となった。
金融市場ではこの間、劇的な変化が起こっている。3月上旬には、世界の投資マネーが株式や原油などのリスク資産から米国債へ退避し、米10年国債利回りが急低下、史上最低となる0・31%を付けた(図1)。また、原油価格の急落が、米国のエネルギー関連企業の経営を悪化させ、低格付け社債の暴落とともに信用不安を招いた。
3月中旬以降は、不安心理の高まりを背景に、あらゆる資産を投げ売りして現金化を急ぐ動きが強まり、ドルの流動性が枯渇。強烈なドル高となった。
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