ミャンマー 「タナカ」を無形文化遺産に=斉藤真美
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ミャンマー政府は3月、1000年以上前から愛用されてきた植物由来の白粉「タナカ」について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産登録を申請した。タナカはミカン科の植物で、木片や根を少量の水を加えてすり潰し、ペースト状にして肌に塗り、太陽の紫外線、虫さされなどから身を守る。都市化が進む最大都市ヤンゴンでも、ほおや額に白い粉を塗った女性や子どもをよく見かける。
ところが近年、美容の効果をうたい、タイなど近隣国の企業がタナカを使った化粧品を商品化。政府は「タナカを使う文化を模倣する国がある」とけん制、「本家本元」をアピールするため無形文化遺産登録に名乗りを上げた格好だ。ヤンゴン在住の30代女性は、3人の子どもに毎日タナカを塗るが、「ユネスコに認められれば国の誇り」と話す。
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週刊エコノミスト
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