マスク素材の価格が急騰 日本製部品頼みの生産あだ=岩下祐一
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新型コロナウイルスの流行に伴うマスク需要の急拡大で、フィルター性能が高く、マスクや防護服などに使われる素材「メルトブロー不織布」が一時、中国で深刻な供給不足に陥った。日本製部品に頼った生産体制があだとなって増産が遅れ、価格が暴騰した。
中国は世界最大のマスク生産国で、2019年の生産量は世界の約半分を占める50億枚に上った。それでも新型コロナへの警戒感が強まった春節(旧正月)連休前後にはマスクが店頭から消えた。
産業界の動きは早かった。連休中からアパレルや自動車といった異業種が相次いで生産に参入。2月末には1日当たりの生産規模が従来比5倍の1億枚強になった。ところが今度は、素材のメルトブロー不織布が供給不足に陥る。2月末の価格は1月の15倍に高騰し、マスク生産の一部が滞った。
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週刊エコノミスト
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