デジタル人民元の試行開始 本格導入へ新型コロナも後押し=神宮健
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中国で「デジタル人民元」の試行が始まった。複数の中国メディアが、広東省・深圳、江蘇省・蘇州、四川省・成都、習近平国家主席が開発を主導する河北省・雄安新区で実証実験を実施していると報道。主要国初の法定デジタル通貨の実現が近づいている。
中国人民銀行(中央銀行)は、2014年からデジタル通貨を研究してきた。その成果であるデジタル人民元は、流通現金(紙幣・硬貨)を代替するもので、用途は小売り・少額取引とされる。
実際、発行・流通の方法は現金と似ている。まず、人民銀行が運営機関に対し、同額の準備金と引き換えにデジタル人民元を発行する。運営機関とは、商業銀行やアリババやテンセントといった第三者支払機関である。ユーザー(個人・企業)はこれらの運営機関で、自らの現預金とデジタル人民元を交換すると、スマートフォンにダウンロードしたウォレット(財布)に入る、という仕組みである。
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週刊エコノミスト
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