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教養・歴史 鎌田浩毅の役に立つ地学

「地球温暖化」を考える 見解分かれるCO2の寄与度/5

 地球温暖化が問題となっている。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は今世紀末までに世界の平均気温は4度ほど上昇すると予測し、国際決済銀行(BIS)は今年1月に発表したリポートで、温暖化のもたらす気候変動が金融危機を引き起こす可能性に警鐘を鳴らした。<役に立つ地学>

 確かに20世紀以降、地球の平均気温は1度ほど上がり、過去100年間で大気に含まれる二酸化炭素(CO2)の濃度は280ppm(ppmは100万分の1、体積比)から380ppmに上昇した。その原因は人間が石油や石炭などの化石燃料を大量に燃やしたからである。

 ではCO2が増えると、なぜ気温が上昇するのだろうか。地球の気温は太陽から来るエネルギーによって決まる。地球が受け取るエネルギーと地球から出ていくエネルギーが釣り合い、地球の温度は一定に保たれている(図)。太陽から来るエネルギーの3割は、雲や地上で反射され宇宙へ消えていく。また2割は大気圏を通過する際に雲や大気に吸収され、残りの5割ほどしか地上には到達しない。

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