投資・運用不動産コンサル長嶋修の一棟両断

割安な「半地下物件」の重大リスク/48

地下にたまった水をポンプで排出する川崎市内のマンション
地下にたまった水をポンプで排出する川崎市内のマンション

 半地下や地下の住戸は水害リスクが増すばかりでなく、湿気や日当たりなど懸念材料が多い。それでもわざわざ作られるのは、建築基準法による建物の高さ制限や、容積率の問題をクリアするためである。

 ワンフロアの高さが3メートルの場合、7階建てのマンションを建てようとすると、全体の高さは単純計算で21メートル。高さ制限が20メートルだったとすると、1メートル超過してしまう。その1メートル分を地下に掘り下げ、半地下の住戸を設けることで解決するわけである。さらに地下空間は容積率の緩和を受けられるため、半地下や地下の住戸を設ければ販売戸数を増やせる。マンションデベロッパーにとってメリットは大きい。

 そんな半地下や地下の住戸には、建物の周辺の地面を掘り下げて作る空間「ドライエリア」の設置が義務付けられる。これにより、地下空間に日差しが入り、風通しもよくなる。

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