教養・歴史書評

橋本内閣から現在に至る官邸主導政治の強さ=井上寿一

 安倍晋三内閣のコロナ禍対策は、欧米諸国と比較すれば肯定的に評価できるとしても、アジア諸国内では突出して成果を上げているとは言いづらい。この間にも次々と問題が起きている。給付金問題は当初の条件付き30万円から曲折を経て一律10万円に至る。「アベノマスク」は緊急事態宣言の解除後になって、今も配布の途上である。「持続化給付金」の委託費も政治問題化している。コロナ禍対策とは別に、検察官の定年延長法案問題で国会が紛糾した。

 これだけ短期間に問題が起きれば、内閣支持率は低下する。しかし、内閣崩壊の危険水域には遠く達していない。なぜ、安倍内閣は強いのか。

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