国際・政治学者が斬る・視点争点

予算制度が招く政府・他者不信=茂住政一郎

    (出所)Commitee on Ways and Means, Joint Commitee on Taxation, Office of Management and Budget統計より筆者作成
    (出所)Commitee on Ways and Means, Joint Commitee on Taxation, Office of Management and Budget統計より筆者作成

     財政社会学では、財政支出による人々に共通のニーズの充足と、納税者の税負担感が、政府に対する信頼と租税支払いに対する「納税者の同意」を左右すると考える。 佐藤滋(東北学院大学准教授)・古市将人(帝京大学准教授)両氏は2014年の研究で、小さな政府支出規模の下、日本の低中所得層の大半が税負担を重いと感じていることを指摘している。また、経済協力開発機構(OECD)の調査によると、17年、政府に対して信頼・満足を示した日本国民の割合はわずか38%だった(OECD平均は45%)。

     この重い税負担感と低い政府への信頼は、税収調達の困難と巨額の政府債務の一因だ。17年時点の日本の政府債務は対GDP(国内総生産)比222・1%だ。これは同年のOECD平均110・3%をはるかに上回る。同年の日本における一般政府支出の対GDP比は38・7%で、OECD平均40・4%より小さい。だが、税収の対GDP比は31・4%しかないのである(OECD平均34・2%)。

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