教養・歴史書評

自宅では体験できない 中国茶の味わいと時間=高部知子

    ×月×日

     お茶が好きだぁ。でもペットボトルで飲むものは、私の中でお茶ではない。急須で入れるものがお茶。こだわりがあるほどでもないけれど、何でもいいわけでもなくて、緑茶、紅茶、ハーブ茶、花茶など、気分で選べるように買いそろえてある。でも、どうしても自宅で飲めないお茶、それが中国茶かなと思う。以前、北京や敦煌(とんこう)でいただいたお茶が忘れられない。日本の茶道とはまた違う文化を持った中国茶。感動的だった。

    『ものがたり 茶と中国の思想』(佐野典代、平凡社、2200円)。この本を読むと、私があの時、何に触れたのか、少し理解できるような気がする。卑弥呼(ひみこ)の時代からやや過ぎた頃、中国にはすでに『茶経』なるものがあったのだとか。日本の茶道は唐から帰国した僧侶が広めた話は有名だが、この本によるとお茶とはもともと〈不老不死の妙薬〉だったのだとか。中国皇帝が延命のために高僧がたてたお茶を飲んでいたことから…

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