片山杜秀の闘論席
有料記事
民主主義は終わりつつあるのではないだろうか。
民主主義の前提は、判断力に富む有権者の存在だ。どの政治家を選べば、よりよい未来が開けるか。選挙で間違えないかどうかは、教育にかかっている。高学歴者が増えれば増えるほど、社会の判断力は豊かになる。それから大切なのはマスコミ。教養ある人々でも、与えられた情報がインチキなら、判断を間違う。民主主義は教育とマスコミが機能していれば盤石だ。
だが、この前提が崩れてきている。経済も科学技術もひたすら複雑になり、専門家ですら追いつかない。専門家が専門領域にすら対処できないのに、複数の領域を政治が総合的に判断し、その判断の正誤を有権者が裁定することなど、できるわけがない。
残り516文字(全文821文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める