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地方に財源保障と財政自主権を=茂住政一郎

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米国の対立と危機の歴史に学べ

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、地方財政運営の困難が予想されている。経済活動の自粛や休業要請に伴う企業収益や個人収入の減少は、地方税収を減少させることが予想され、国の緊急経済対策は固定資産税の軽減を決めた。一方、通常の公共サービスに加え、検査・医療体制の整備や教育現場の対策などにより、今後の地方財政需要の増加が予想される。地方の財源不足額は、過去最大だった2008年のリーマン・ショック後を超える見込みだ。

 コロナ禍に加え、非常に深刻な人種間格差と対立が浮き彫りとなった米国でも同様の状況が予想されている。例えば州段階では、新型コロナウイルス感染拡大と経済活動の停止に伴い、公衆衛生や失業対策などに対する財政需要が増加する一方、08年以上の州税収の激減が懸念されている状況だ。

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