各時代の世界が一目瞭然 画期的な歴史地図に学ぶ=本村凌二
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ときには掛け値なしに薦めたい本がある。今役立つだけでなく、一生にわたっていつでも使えそうな教養本でもある。DK社編著、スミソニアン協会監修『ビジュアルマップ大図鑑 世界史』(東京書籍、6500円)は絶えず机上の近くに置いておきたい本である。
そもそも世界史と地理は切っても切り離せないものがある。長い時間と広い空間という二つのアプローチを一つに体現するのが歴史地図である。人類の誕生からグローバル世界の現代までの諸時代の世界をそれぞれ両ページ見開きのまま一望できるとすれば、大助かりではないだろうか。しかも、全てが多彩なカラーで描かれているし、さまざまな遺跡や図版も満載されており、複雑な内容でも容易に理解できるのだ。
ローマ帝国とオスマン帝国の見開きを比べてみるだけで、西欧を除く大半が同一の支配下にあったことが分かる。バルカン半島東部沿岸はローマの属州ダルマティアであったが、その地はラグーサ共和国としてのちにオスマン帝国に服属した。
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