投資・運用不動産コンサル長嶋修の一棟両断

「組合」主体が管理の大前提/56 

管理組合の中で対立や分裂するケースも
管理組合の中で対立や分裂するケースも

 マンション管理において、管理会社は単なる業務委託先に過ぎない。主体はあくまで所有者で構成する管理組合だ。ところが、現実は組合側が「管理会社がやってくれるもの」と思い込む傾向が強く、管理会社が頭を抱えている例をよく見る。建物の修繕の提案を組合側に示しても合意が取れず、話が進まない。結果としてマンションは劣化し、寿命も縮み、資産性を落としていくのをただ見ていることしかできない。

 新築マンションの売買に当たり、販売会社の説明不足のツケが、管理会社に回ってきていることも否定できない。所有者が管理に関する話を求めていない状況を口実に、丁寧な説明がなされているとは言えないからだ。特定の人物が何十年も理事長を務めている組合では、管理会社などと癒着しているケースもある。大規模な工事の度に、理事長に対して秘密裏にリベート(謝礼金)が支払われている例がしばしば発覚している。マンション管…

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週刊エコノミスト

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