週刊エコノミスト OnlineワシントンDC

コロナ禍の住宅購入 ローン承認の高いハードル=吉村亮太

苦労の末、自宅を確保 筆者撮影
苦労の末、自宅を確保 筆者撮影

 筆者は過去2度にわたり米国に駐在したが、その都度、ローンを組んでコンドミニアムを購入し、離任するときに売却してきた。コンドミニアムとはいわゆる分譲マンションのことだ。ちなみに、英語でmansionは「お屋敷」を意味する。

 不動産を購入・保有しようとすると、手間はもちろんのこと、登記費、取得税、固定資産税、管理費などなど、少なからぬ初期コストや月々のコストが発生する。転勤辞令がいつ出るか分からず、物件を手放すタイミングは自分では決められない。日本から送金する頭金部分の為替リスクもいかんともしがたい。しかし日本と異なり、長い目で見ればコンドミニアムの価格は緩やかな右肩上がりなので、一定のコストとリスクを伴っても大きな失敗はないと確信している。懲りずに今回も購入することにしたが、以前に比べるとハードルがはるかに高くなっていた。

 第一の要因は前回の駐在から8年間の空白期間があったことだ。米国では三つの信用調査会社が個人の信用リポートを発行している。このリポートに基づきフェア・アイザック社(通称FICO)が算出する各人の信用スコアが金融機関の事実上の判断基準になっている。銀行はこのスコアを基に借り手の信用力を見極め、貸出金利などの条件を決定する。返済遅延など不利な事項も7年経過すると信用履歴から抹消される仕組みになっている…

残り754文字(全文1320文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事